プロバイオティクスと歯科治療 ロイテリ菌で歯周病は治るのか?

プロバイオティクスと歯科治療 ロイテリ菌で歯周病は治るのか?

プロバイオティクス 常在菌の「菌質」が良い人は健康になり、悪い人は不健康になる

プロバイオティクスとは、たんなる善玉菌ではなく、胃酸などによって菌数が減ることなく、しかも納豆菌の様に一時的に腸内に滞在したり通過するのではなく、口腔・胃・腸内などにきちんと定着する細菌療法のことを言います。

ある研究では、プロバイオティクスセラピーでアトピー性皮膚炎を治療することが示されていますし、うつ病やがんにも有効なことが分かっています。そして、腸内細菌とアレルギーは実は密接な関係なのです。

少し専門的になりますが、プロバイオティクスの一つである、L.ロイテリ菌の摂取は、小腸のなかのCD4陽性T細胞の数を増加させ、集合体化したCD4陽性T細胞を増加させます。CD4陽性T細胞は重要な役割を持つ細胞であり、抗原と腸上皮の病原体に対する正常反応を制御するからです。

友和デンタルクリニックでは、必要に応じて悪玉菌を抗生物質で除菌し、その上で腸内フローラを改善しやすい経口摂取する培地を飲んでいただき、さらに善玉菌であるL.ロイテリ菌を摂取するプロバイオティクスセラピーをおこなっています。

口腔内細菌の管理

近年の研究では口腔内細菌は虫歯や歯周病だけではなく、生活習慣病や心疾患などの全身疾患の病気にも影響を与えていることがわかってきました。口腔内細菌を健常に管理することで体全体の健康管理の維持・改善に役立ちます。様々な病気の予防のためにも口腔内細菌の改善が大切になります。

歯科系疾患で全身の重大疾患と関係しているのは歯周病です。歯周病は菌感染症であり、歯周病菌が関与する重大疾患には脳梗塞・心筋梗塞・低体重児・早産・糖尿病・肺炎などが上げられています。

人体に500種類500兆個以上存在する人体常在菌の「菌質」は、健康状態を大きく左右します。その人体常在菌は「口腔内菌質」に大きく左右されます。口内菌質の管理は歯科の仕事です。口は全身の病気の入り口であり、歯科によって水際で病原菌の侵入を防止することが大切になってきています。

L.ロイテリ菌の特徴

L.ロイテリ菌はヒト由来の善玉菌で、胃酸や消化酵素への耐性があり、特に口の中に定着しやすい性質があるなど、プロバイオティクスとして望ましい特性があります。

乳酸菌なら、なんでも良い訳ではありません。プロバイオティクスなら有効とはかぎりません。医療機関には使用する条件があります。体の全部位と全疾患に対して安全であり、一切の反作用がないことが証明されている必要があり、その唯一のプロバイオティクスが人類の歴史と共に共進化を遂げてきた「L.ロイテリ菌」です。

口腔内に対して

  • 歯周病や虫歯の原因菌の減少(歯周病菌・虫歯菌の発育抑制)
  • プラークの減少
  • 中等度・重度の歯肉炎の緩和
  • 歯周病治療との併用での治療効果UP
  • 口臭の減少

全身に対して

  • ピロリ菌感染の抑制
  • アレルギー症状の抑制
  • 母乳の質改善
  • 細菌感染症の抑制
  • 抗生物質副作用の軽減
  • 誤嚥性肺炎の低減

ロイテリ菌の目的と効果的な使い方

ロイテリ菌は歯周病原菌を殺すのではなく繁殖をしないように抑えます(ロイテリ菌の周りでは歯周病原菌が繁殖出来ないという 研究データがある)。その為、歯周病菌の量をコントロールするためにも歯科医院でクリーニングを行ったうえでロイテリ菌を摂取することが効果の発揮につながります。

寝中は唾液の分泌が少なく口腔内に留まる時間が長いため寝る前の摂取が有効です。その際タブレットは噛まないように注意してください。

ロイテリ菌はどんな人におすすめ?

  • 普段忙しくてあまり通院出来ない人への自宅ケアとして
  • 妊婦(妊娠中は虫歯になりやすい環境だが薬が使えないため)
  • メンテナンスの間の生活の中で治療の効果を持続する事で再発防止につながる

ロイテリ菌を用いた歯周病治療 症例紹介

歯周病 ロイテリ菌 治療例

今すぐ歯周病をチェックしましょう

当てはまる項目にチェックを入れて、現在のお口の状態を把握しましょう。下記の項目に1つでも該当する場合は、歯周病の可能性があります。できるだけ早めに当院にご相談ください。

  • 歯をみがくと歯ぐきから出血する
  • 歯ぐきが痛む
  • 口臭が強くなったような気がする
  • 歯ぐきが赤く腫れている
  • 歯ぐきから膿が出ることがある
  • 歯がグラグラする
  • 歯ぐきの位置が下がったような気がする
  • 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなった
  • 朝起きたときに口の中がネバつくように感じる

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