ジンパックを使用した左下5番の歯頚部のカリエス治療(虫歯治療)の症例

歯頚部とは歯と歯茎の境目のことを言います。歯頚部は噛み合せ・歯ぎしりの影響や、歯ブラシを強く当てすぎることで歯の表面が削れたり、歯肉退縮(歯茎が下がること)が起こることで歯の根元(根面)が露出することがあります。
根面は丈夫なエナメル質に覆われていないため虫歯になりやすくなります。

歯肉退縮によって露出した歯の根面が虫歯になっています。
神経のある歯なので、麻酔をして治療を行います。

ジンパックという歯と歯茎の境目に挿入する糸(歯肉圧排糸)を挿入し、歯と歯茎の間に隙間を作ります。

ジンパックを歯と歯茎の間に入れたことで歯頚部のカリエスが見えやすくなりました。

露髄(歯の神経が見えてくること)しそうにない箇所は、エアタービンや５倍速コントラでう蝕検知液を使って丁寧に軟化象牙質を除去していきます。

深い場所は、機械で削っていくと歯の神経が見えてきてしまう可能性もあるので手作業で丁寧に虫歯を除去していきます。

虫歯が除去できました。
黒いところの全てが虫歯というわけではありません。マイクロスコープで確認しながら、健康な歯を削らないように処置していきます。

エッチングという酸性の液を塗布し、歯の表面をザラザラにすることでこの後使用するCR(コンポジットレジン)の接着力が上がります。

削った場所にCR(コンポジットレジン)を詰めることで形態を修復していきます。

CRはLEDの光で硬化します。
CR充填後青い光を照射し、硬化させていきます。

歯と歯茎の境目に挿入していたジンパックを除去します。
ジンパックを除去してすぐは歯肉を押し上げていた影響で歯茎が少し下がって見えますが、数分で元に戻ります。

段差なく綺麗に詰めることができました。