神経を残す虫歯治療 二回法(1回目)

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カリエスが大きく、軟化象牙質を取りきると露髄してしまいそうな症例では2回に分けてカリエス処置を行う二回法(ステップワイズエキスカベーション)を用いることがあります。

この方法を用いる場合には、まず診断が大事になります。

患歯に自発痛や打診痛など歯髄症状がないことを確認してから処置を開始します。

1回目の治療のポイントは、しっかりとした辺縁封鎖を得るために露髄しない部分の軟化象牙質を徹底的に除去することです。

とくにエナメル象牙境の軟化象牙質を取り残しやすいのでう蝕検知液やマイクロスコープ、拡大鏡を使用して徹底的に除去していきます。

周りの軟化象牙質を除去した後に深部の軟化象牙質をエキスカベータで除去していきますが、できればラバーダム防湿ができるとベストです。

ここでタービンや5倍速エンジンなどの回転切削器具でアプローチすると容易に露髄してしまうので注意します。

露髄しない程度に軟化象牙質を除去した後、テンポラリーセメントのソフトを置いてセメントが乾燥するのを待ってからコンポジットレジン充填を行います。

強い咬合力がかかると接着が破壊されて、カリエスが進行してしまう可能性があるため、咬合の管理をしながら6ヶ月後にリエントリーを行います。