ロイテリ菌を用いた歯周病治療の症例紹介1 N様40代女性

歯周病 ロイテリ菌 治療例

ロイテリ菌を用いた歯周病治療をされたN様(40代女性)の症例紹介1です。

友和デンタルクリニックでは抗生物質の代わりにロイテリ菌を用いた安心で安全、そして拡大鏡やマイクロスコープを用いた体に負担が少なく痛くない、効果的な歯周病治療を行なっております。

ロイテリ菌を使って歯周病治療をしませんか?

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歯茎が腫れるたびに抗生物質を処方されていませんか?
歯周病は、口の中の歯周病原細菌が増加し、常在菌が抑制されて、細菌叢に変化が起こり、宿主の免疫力とのバランスが崩れることにより発症します。
歯茎が腫れているときは歯茎の中に膿が溜まっています。白い膿は白血球などの歯周病原細菌と戦った免疫細胞の死骸です。抗生物質で腫れを抑えることは歯周病原菌を一時的に薬で抑えているだけの対症療法です。

歯周病を治すときは、しっかりと原因除去療法を!

歯周病の基本的な治療は、ご自身でのプラークコントロール(歯磨き指導により患者様ご自身で歯垢を減らすこと)と直接的なデブライトメント(歯科医院でスケーラーという器具を使って歯根表面を物理的に郭清すること)により歯周病菌が棲みついた歯根表面の歯石やバイオフィルム(細菌が作り出した膜)を除去することです(Rhemrev et al.2006).

このように歯科医院で歯根面に沈着した歯垢や歯石を除去することを専門用語でSRP(スケーリング・ルートプレーニングの略で手用スケーラーや超音波スケーラーなどの器具を使って歯垢や歯石に含まれたバイオフィルムを除去すること)と言います。

SRP(スケーリング・ルートプレーニング)とデブライトメントの違いが難しいと思いますので、現在の考え方になった流れを説明させて頂きます。

1970年代は、歯根面の細胞毒性が強調され、エンドトキシン(細菌に含まれる内毒素)がセメント質中に吸収され内部に深く浸透することが示唆されていたため、ルートプレーニングにより積極的に罹患セメント質の完全除去が試みられていました。

1990年代に入るとエンドトキシン(細菌に含まれる内毒素)は歯根表面に存在し、軽度のスケーリングで除去されるため、セメント質を過度に取り除かなくても良いことがわかってきた。したがって、現在では、スケーリング・ルートプレーニングというよりもroot surface debridement(デブライトメント)と呼ばれるようになってきました。

簡単に説明すると現在では悪いものは徹底的に除去して、良いものは最大限に残すべきだという考え方になっています。

補助的治療としてお勧めしたいのがロイテリ菌です

慢性歯周炎の治療においてSRP(スケーリング・ルートプレーニングの略:歯根表面の感染物質を除去して綺麗にすること)にロイテリ菌を補助的に使用することが有効であると報告されています(Martin-Cabezas R et al. 2016)

2016年のシステマティックレビュー(論文を漏れなく検索すること)&メタアナリス(集めた論文を統合して解析すること)でも慢性歯周炎の治療においてSRP(スケーリング・ルートプレーニングの略:歯根表面の感染物質を除去して綺麗にすること)にロイテリ菌を補助的に使用することが有効であると報告されています(Martin-Cabezas R et al. 2016)

マイクロスコープを使用した歯周病治療

歯周病治療をしている歯科医師

当院では、歯周病の大きな原因の一つである歯肉縁下歯石を除去する際にマイクロスコープを使用しています。

マイクロスコープを使用するメリットは、通常ではフラップ手術(歯肉を大きく開いて歯石を除去する手術)をしないといけない部分でも歯肉を切ることなく歯肉縁下歯石を除去できます。

身体への負担が少ないため、術後の痛みや歯肉退縮が起こりにくく、治癒も早いことが特徴です。

ロイテリ菌と拡大視野を利用した歯周病治療

歯周病治療 実際の治療

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「他院で抜歯と言われたが、歯を抜きたくない」多くの患者様はこのようにおっしゃって来院されます。

当院で治療を受けられたN様も歯周病に悩まれて来院されました。

N様の歯周病治療を見てみましょう。

ロイテリ菌を用いた歯周病治療の流れ

歯科衛生士による問診、パノラマ撮影(保険治療)

初診時は、痛みがあれば応急処置を行います。
緊急性がなければ今までの経緯や治療経過、来院可能日、患者様の希望などをお聞きします。

精密検査1万円、CT1万円、細菌検査2万円

16枚レントゲン写真

約1時間かけて口腔内写真、顔貌写真、16枚レントゲン、歯周ポケット測定、噛み合わせの検査、必要に応じてCT撮影、歯周病菌の細菌検査を行います。

カウンセリング

カウンセリングルームにて精密検査の結果を踏まえて、歯周病が進んでしまった原因と今後の治療方針や治療期間と費用をお伝えし、患者様のご希望をお聞きします。

歯科衛生士によるブラッシング指導

歯科衛生士によるブラッシング指導

歯周病治療の基本となる歯磨きの仕方と歯ブラシの選び方、フロスや歯間ブラシなどの補助的清掃器具の使い方をお伝えします。

歯科衛生士によるバイオフィルムや歯垢・歯石の除去 1万円×6回

歯科衛生士がバイオフィルム(細菌がつくった膜)や歯に沈着した歯垢や歯石をスケーラーという器具を使用して除去します。痛みを感じないように必要に応じて局所麻酔を使用します。当院では、歯科衛生士も高倍率のルーペを装着して拡大視野で治療を進めています。

歯科医師によるマイクロSRP(スケーリング・ルートプレーニング)片顎3万円×2回

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歯科衛生士の治療では改善しない歯周病を歯科医師がマイクロスコープを使用して歯肉縁下歯石(歯茎の中の根面に沈着した歯石)を除去します。痛みを感じないように局所麻酔を使用します。

ロイテリ菌の処方 1箱3000円×3ヵ月分

ロイテリ菌タブレット バイオガイア プロデンティス ミント味

歯肉縁下歯石を除去して、口の中の歯周病菌が少なくなっている状態でロイテリ菌を処方します。ロイテリ菌は就寝前の歯磨きの後に摂取して頂きます。

歯周組織再生療法 5万円×4歯

歯周病の再生治療

重度に歯周病が進行している部位には、再生材料や移植材を使用して歯周組織再生療法を行います。

6ヵ月以上、期間を空けて再評価します。

セラミック修復 13万円

補綴治療

不適合補綴物(フィットの悪い被せ物)はプロビジョナルレストレーション(プラスチックでできた綺麗な仮歯)に置き換え、歯周病治療により歯槽骨が再生し、歯茎が引き締まった時点で、フィットが良く、歯垢や歯石が沈着しにくいセラミックの被せ物を装着します。

メインテナンス 3ヵ月毎 1万円

歯周病の再発を予防するためには、定期的なメインテナンスが必要です。メインテナンスでは歯を傷つけずに着色やバイオフィルム(細菌が作り出す膜)が除去できるパウダークリーニングを中心に行っております。2、3年おきに精密検査で歯周病や虫歯のチェックを行います。

歯周病治療期間・費用まとめ

歯周病治療期間 9ヶ月(歯周基本治療3ヶ月、歯周組織再生療法6ヶ月)

歯周病治療費用 約50万(精密検査4万、ロイテリ菌1万、歯科衛生士の治療6万、歯科医師の治療26万、セラミック治療13万)

歯周病治療のリスク・副作用

治療後に知覚過敏が起こる可能性あります。治療後に菌血症(身体の中に歯周病菌が血液に乗って回ること)になることがあります。ロイテリ菌による副作用はありません。

患者様の来院頻度やブラッシングの上達度、喫煙の有無、全身疾患の有無により、治療結果や治療期間にかなり個人差があります。

ロイテリ菌と拡大視野を利用して歯周病の原因除去を!

数年前まで病原性の高い歯周病菌が検出された場合には、抗生物質を服用して頂くことで悪玉菌を殺菌しながら歯周病治療を行っていました。

しかし、抗生物質の長期投与は腸内の善玉菌にも影響があり、飲み続けると耐性菌ができてしまい抗生物質が効かなくなります。

ロイテリ菌の発見により、現在では抗生物質の代わりにロイテリ菌を用いた安心で安全、そして拡大鏡やマイクロスコープを用いた低侵襲で効果的な歯周病治療を行なっております。

歯周病でお悩みでしたらお気軽にご相談ください。