前歯の隙間が気になる!すきっ歯の治療方法
笑った時に前歯の隙間が気になったことはありませんか?
特に上の前歯は他人の目にも入りやすく気になりますよね。
上の前歯のすきっ歯は正中離開と呼ばれます。
このすきっ歯を改善するにはどのような方法があるのでしょうか。
前歯のすきっ歯は虫歯になっていない健康な歯への治療になることも多く、最初の治療をどのような方法で行うかによって、その歯の未来が変わってしまう可能性もあります。
歯を削る前にどのような治療法があるのか参考にしていただけると嬉しいです。
各国で違う前歯のすきっ歯への印象
実は、すきっ歯への印象は世界各国で異なります。
フランスでは上の前歯のすきっ歯はそこから幸運が呼び込まれる「幸運の歯」と呼ばれ女優やモデルのような仕事をされている方でもあえて治療はしない方が多いそうです。
一方、日本や中国などではすきっ歯は「隙間から幸せが逃げる」と昔から考えられており、見た目の面でもコンプレックスにしている方が多いのではないでしょうか。
最近では、欧米のように歯並びを気にされる方が増えてきたこともあり、以前より気にされる方が多くなったと感じます。
前歯のすきっ歯の治療方法
前歯の隙間を埋める方法は、隙間の大きさや原因、患者さんの希望など様々な要因によって異なります。
一般的な治療法をいくつかご紹介します。
クラウン(被せ物)
すでに被せ物が装着されている場合や、生まれつき著しく小さい歯が原因で隙間が生じている場合、クラウンを使用して形を整え、隙間を埋めることができます。虫歯や失活歯(歯の神経がない歯)の場合は、虫歯治療や根管治療が必要な可能性があります。
費用・通院回数・リスク
費用
1歯:165,000円(税込)
165,000円×4本 =660,000円
*治療費は別途(保険治療、仮歯代、材料費で約30,000円程度)
通院回数
4〜5回(約2ヶ月)
*本数が多い場合、虫歯治療が必要な場合は、治療回数と治療期間が異なります。
リスク
・術後の知覚過敏、歯の痛み
・セラミックの破折、脱離
・歯髄の失活(歯の神経が死んでしまうこと)
ダイレクトボンディング
前歯のすきっ歯のなっている箇所にセラミックの樹脂を歯に盛り上げて隙間を埋める方法です。虫歯がなければほとんど歯を削らずに治療ができます。長期的に見ると樹脂が変色してくる可能性があり、再治療が必要な場合があります。一回の治療で終わり、他の治療と比べて安価です。
費用・通院回数・リスク
1本あたりの治療期間、通院回数
前歯:型取りをして模型上で形態の診断、確認をした上で行うため3回(治療自体は1回)
神経に近い、および神経に到達してる虫歯の治療は2回
(※歯髄温存療法を行なう必要がある場合は、虫歯治療のみ行ったあと、2~6ヶ月症状の経過をみてからダイレクトボンディングを行ないます。歯髄温存療法の費用は別途かかります)
費用
前歯
単純窩洞(歯と歯の間を含まないもの):¥40,000 (税込¥55,000)
複雑窩洞(片方の隣接面を含むもの):¥50,000 (税込¥66,000)
複雑窩洞(両方の隣接面を含むもの、または切縁を含むもの):¥70,000 (税込¥77,000)
外傷などにより大きく折れてしまった歯の修復:¥70,000 (税込¥77,000)
※ステイン付与の場合は¥80,000(税込¥88,000)
リスク
・オールセラミックと比較すると若干の劣化がある
・噛み合わせが強い方は、まれに欠けることがある
・基本的に1回で治療は終わるが、時間が1時間程かかり30分は開けたままのため、顎が疲れることがある
ラミネートべニア(ポーセレンべニア)
ポーセレンの薄いシェルを歯の隙間に接着させます。虫歯がなければ歯をほとんど削ることなく審美的な結果が得られます。天然歯のような透明感があり、審美性が最も高い治療法で、すきっ歯の形態も改善できます。
費用・通院回数・リスク
費用
ラミネートべニア 1歯:165,000円(税込)
通院回数
2〜3回(約1ヶ月)
*本数が多い場合、虫歯治療が必要な場合は、治療回数と治療期間が異なります。
リスク
・術後の知覚過敏、歯の痛み
・セラミックの破折、脱離
・歯髄の失活(歯の神経が死んでしまうこと)
矯正
歯並びが原因の場合は、矯正治療をお勧めします。時間がかかりますが、根本的な問題を解決するので、長期的に安定した結果が得られます。唇の突出感の改善など顔貌の審美性も向上させることもできます。
インプラント
歯の欠損が原因で隙間が生じている場合は、インプラントで歯の欠損を補い、隙間を埋めることができます。
両隣の歯がほとんど治療されていない天然歯の場合は第一選択になります。骨がない場合は骨造成、歯肉が薄い場合は歯肉移植が必要になる可能性があります。
費用・通院回数・リスク
費用
450,000円〜600,000(税込)*骨造成(骨が足りない場合には増骨手術を行います)の有無で費用が異なります
*治療費は別途(保険治療、仮歯代、材料費で約15,000円程度)
通院回数
7〜8回(約1年)*抜歯即時埋入(抜歯と同時にインプラントを埋入する方法)だと4〜6ヶ月
リスク
・被せ物、仮歯の脱離、欠け、緩み
・手術後の腫れ、痛み
・インプラント周囲炎(インプラントを支えている骨が溶けてしまう病気)のリスク
・フィクスチャー(インプラントのネジの部分)、スクリューの破折
・将来的に被せ物を修理、または被せ直しが必要になる可能性あり
接着ブリッジ
歯をほとんど削らずに隣の歯にセラミックを接着させて欠損を補います。セラミックの材質の向上とセメントの接着力が上がり、侵襲の少ない治療が可能になりました。脱離の可能性はありますが、審美的で歯に優しく、次の選択肢を残せる治療法です。噛み合わせによっては、選択できない場合があります。
費用・通院回数・リスク
費用
1歯:¥165,000+¥99,000=¥264,000(税込)
通院回数
2~5回
リスク
- セラミックの脱離・破折の可能性あり
- 接着した隣接歯との間にはフロスが通らない
- 歯の表面を一層削る必要がある
ブリッジ
歯の欠損が原因で隙間が生じている場合は、ブリッジで歯の欠損を補い、隙間を埋めることができます。
両隣の歯が大きく治療されている場合には、色調も形態も合わせやすく審美的な結果が出しやすい治療法です。
費用・通院回数・リスク
費用
1歯:143,000円✖️3歯=429,000(税込)
通院回数
2〜3回(約1ヶ月)
リスク
・術後の歯根破折、根尖病変の再発
・セラミックの破折、脱離
・術後の知覚過敏や歯髄の失活(歯の神経が死んでしまうこと)*生活歯の場合