歯をほぼ削らない!ラミネートベニア!
「歯の色や形を綺麗にしたいので歯医者に行ったら歯をぐるっと削って被せないとできない」と言われたことはありませんか?
歯が変色や形態が良くない場合、一般的には歯を大きく削ってセラミックなどを被せなければなりません。
しかし沢山歯を削って被せ物にすると、歯へのダメージが大きく神経が死んでしまったり、将来的に抜歯のリスクが高まってしまいます。
綺麗にしたいけど、歯を大きく削るのは嫌ですよね?
そこで、できるだけ歯を削らない治療法として「ラミネートベニア」というセラミック治療が有効になります。
ラミネートベニアとは
ラミネートベニアとは、歯の外側にあるエナメル質を極力残して削り、最小限の侵襲で最大限の審美的な結果を出せるセラミックを貼り付ける治療です。近年、セラミックの材質とセメントの接着力が向上し、このような治療が確立してきました。エナメル質とセラミックは強固に接着することが実験でも臨床でも証明されています。エナメル質を残して歯を削ることにより、歯を長持ちさせた上で審美的な結果を出せるのがラミネートベニアという治療法です。
クラウンとラミネートベニアの歯を削る量の違い
歯を大きく削ると失活(歯の神経が自然と死んでしまうこと)するリスクが上がることがわかっています。その場合、根管治療が必要になり、さらに健康な歯質が減ってしまい歯根破折のリスクが上がり、最終的に抜歯になるリスクが高まってしまいます。
上の画像は通常のクラウンとラミネートベニアの形成を比べたものです。見ていただくとクラウンと比べてラミネートベニアは歯を削る量が少ないため、歯が大きく残っています。
生活歯(神経のある歯)にセラミックを装着する場合は、一般的に浸潤麻酔が必要ですが、ラミネートベニアは削る量が少ないため、浸潤麻酔が必要ない場合もあります。ラミネートべニアはそのぐらい削る量が少ないのです。
審美性も大事ですが、ご自分の歯を長く使い続けるためには、歯をできるだけ削らないラミネートベニアがお勧めです。
ラミネートベニアのメリットとは
友和デンタルクリニックでは、ラミネートベニアの治療を行っています。
従来セラミック治療はメタルボンド(陶材焼付冠:金属にセラミックを焼き付けた被せ物)が審美修復治療の主流でした。材料の進化により、金属を全く使わないオールセラミックスやジルコニアが現在では多く用いられるようになってきています。
現在では、材料の進化、そしてセメントなど接着材料の進化により、歯をできるだけ削らないラミネートベニア修復ができる時代になっています。
ラミネートベニアの最大のメリットは、歯を極力削らないことです。歯は削らなければ削らないほど長持ちします。しかし、セラミックの色調を歯に合わせるため、被せ物がとれてしまったり、割れてしまわないように今までは大きく削らないといけませんでした。歯科医師としては、歯をできるだけ削りたくない、だけど患者様に満足して頂けるような審美的な結果を出したい。そんな中登場したのがラミネートベニア修復です。
ラミネートベニア修復は接着が命です。そのためには、ラバーダム防湿とマイクロスコープの使用が必須です。
ラバーダム防湿とはラバーダムと呼ばれるゴムのシートで治療する歯を隔離し、唾液や浸出液が入らない環境を作る方法です。お口の中にはたくさんの細菌が存在しています。唾液や浸出液などが治療中に歯の根の中に入ってしまうと感染を広げてしまい、予後が悪くなります。ラバーダムを使用することで、無菌状態を作り、歯が長持ちする治療が可能になりました。日本ではラバーダム防湿をする歯科医師が少ないことが根管治療の成功率の低い原因だと言われています。ラミネートべニアを行うにもラバーダムは欠かせません。 ⇒ラバーダム防湿の詳細はコチラ
マイクロスコープとは歯科用顕微鏡のことです。ラミネートベニアの形成は水分の少ないエナメル質(歯の外側にある白い部分)をできるだけ温存することが重要です。肉眼での治療では術者がエナメル質を削っているのか象牙質(歯の中の茶色い部分)を削っているのかわかりませんが、マイクロスコープを使用することでどちらを削っているかを何倍にも拡大して確認できます。拡大視野でのエナメル質の温存がセラミックの接着に大きく貢献し、ラミネートベニアが長持ちするのです。
ラミネートベニアの禁忌症
1、接着に十分なエナメル質がない場合
2、咬合状態に問題がある場合
3、虫歯・歯周炎が広範囲に及ぶ場合
4、歯の位置異常が著しい場合
ラミネートベニアの治療の流れ
当院に通われているM様も、歯を大きく削って被せ物にしないと綺麗な歯は入らないと言われ、ラミネートベニア治療を行っている当院にいらっしゃいました。
ここで実際のラミネートべニア治療を見てみましょう!
1.診断用ワックスアップ
まずは現状の噛み合わせや歯の状態を診断して歯科医師と歯科技工士で治療目標を具現化します。出来上がった診断用ワックスアップを患者様にも見て頂き、ラミネートべニアの最終的なゴール設定を全員で共有します。
2.浸潤麻酔
歯の周囲に麻酔を効かせて、治療の痛みをおさえて感じにくいようにします。強力な表面麻酔を使用して麻酔していきます。(写真は白い綿の内側に表面麻酔を塗っています)
3.ラバーダム防湿
唾液や吐息がかからない環境で虫歯治療を行うために歯にゴムのシートをかけて患歯をお口の中と隔離します。医科でオペをするときに青いシートをかけて処置する部分だけ穴を開けるイメージです。
4.既存の詰め物と虫歯の除去
歯の中の感染組織を除去します。虫歯が残っていると後で痛みが出る原因になるため、ラミネートベニア治療をする前の準備が大切です。う蝕検知液と呼ばれる虫歯を染め出す染色液で感染組織を見逃さないようにします
5.モックアップの作成
歯の形態や見え方を確認してもらうため、口の中で樹脂の材料を盛り上げて、患者様と一緒に最終的なラミネートべニアのイメージを共有します。
6.精密形成、精密印象
できるだけ歯を削る量を少なく最終形成を行い、精密にラミネートべニアの型を採ります。
7.ラミネートベニア装着
ラバーダム防湿を行い、口の中の湿度をコントロールしながらラミネートベニアを装着します。
8.セメント除去と咬合調整
セメントの取り残しがないか、噛み合わせが強く当たっていないかを確認します。
ラミネートベニア治療のリスク・治療回数・費用
リスク:エナメル質が少ないと被せ物になる可能性・セラミックの欠けや脱離のリスク・しみる症状が出る可能性
治療回数:3~4回 ※本数、虫歯の大きさによって治療回数が異なります
費用:ラミネートベニア 143,000円✖️6本 ※精密検査の費用は別途かかります
このようにM様はラミネートベニア治療で綺麗な歯を手に入れることができました。
ラミネートベニア治療のご予約
当院は完全予約制です。
現在ご予約が大変込み合っています。
痛みが出てからではすぐにご予約が取れないこともありますので、早めにご予約ください。