奥歯虫歯を放置すると抜歯する事になる!?奥歯虫歯治療の選択肢とは
奥歯が痛くて歯医者に行ったら神経の治療が必要と言われたり、奥歯の虫歯治療の後に被せ物が必要と言われて悩まれたことはありませんか?保険適応の材料や保険で使えない材料、白い被せ物や銀色の被せ物…複数の選択肢の中で悩まれたことがある方も多いのではないでしょうか。
奥歯の虫歯もなるべく初期のはやい段階で治療したほうが痛くないし大切な歯を削る量も少なくてすみます。虫歯になってしまった奥歯には、虫歯の重症度や部位によっていくつかの治療法があります。
事前にどんな治療になるか知っていたい方や、被せ物の種類で悩まれてる方は参考にしてみてください!
奥歯の詰め物の種類
詰め物(充填)
奥歯の虫歯の範囲が狭い場合、虫歯を除去して、アマルガム、コンポジットレジン、セラミック、グラスアイオノマーなどの歯科用充填材を充填します。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングとは、従来の型取りして詰め物を入れるやり方と違い、最小限の削る量で虫歯を取り、特殊な樹脂や様々な器具を用いて直接詰め物を接着させる方法です。
通院回数・治療期間
1回(約1週間)
*神経に近い大きな虫歯の場合は、歯髄温存治療を先に行うことがあります
費用
33,000〜55,000円(税込)
*治療費は詰め物の大きさ、隣接面を含むか含まないかで異なります
*自由診療になります
治療のリスク・副作用等
・術後の知覚過敏、咬合痛
・樹脂の欠け、チッピング
・歯髄の失活(歯の神経が死んでしまうこと)
ダイレクトボンディングの治療例動画はコチラ
インレーとアンレー
虫歯が広範囲に及んでいる場合、インレーやオンレーを使用して歯を修復することがあります。
インレーは歯の尖っている山の部分(咬頭)を含まない小さな被せ物です。
通院回数・治療期間
2〜3回(約1ヶ月)
費用
99,000円(税込)
*自由診療になります
*治療費は別途(保険治療、材料費で約10,000円程度)
治療のリスク・副作用等
・術後の知覚過敏、咬合痛
・セラミックの破折、脱離
・歯髄の失活(歯の神経が死んでしまうこと)
アンレーはインレーよりも覆うサイズが大きく、歯の尖っている山の部分(咬頭)を含む被せ物です。
通院回数・治療期間
2〜3回(約1ヶ月)
*根管治療が必要な場合は、治療回数と治療期間が別途かかります。
費用
14,3000円(税込)
*自由診療になります
*治療費は別途(保険治療、材料費で約10,000円程度)
治療のリスク・副作用等
・術後の知覚過敏、咬合痛
・セラミックの破折、脱離
・歯髄の失活(歯の神経が死んでしまうこと)
これらは、歯科技工所で製作されたカスタムメイドの修復物で削った部分に合わせてセメントで合着または接着します。修復物の種類には、金属、ハイブリッドセラミック、オールセラミック、ジルコニアがあります。
クラウン(被せ物)
虫歯が大きく、歯の構造を失っている場合、クラウンを勧めることがあります。クラウンは、歯全体を覆うカスタムメイドの修復物で、歯を保護し、外観と機能を回復させます。修復物の種類には、金属、ハイブリッドセラミック、オールセラミック、ジルコニアがあります。
通院回数・治療期間
2〜3回(約1ヶ月)
*根管治療が必要な場合は、治療回数と治療期間が別途かかります。
費用
14,3000円(税込)
*自由診療になります
*治療費は別途(保険治療、仮歯代、材料費で約15,000円程度)
治療のリスク・副作用等
・術後の知覚過敏、咬合痛
・セラミックの破折、脱離
・歯髄の失活(歯の神経が死んでしまうこと)
奥歯の治療の選択肢
歯髄温存療法
歯髄温存療法とは歯の神経を保護するMTAセメントと呼ばれるお薬を使って歯の神経を抜かずに残す治療です。虫歯治療で神経が見えてきてしまっても正常な歯髄の場合は残すことが可能です。虫歯が大きく、神経の近くまで達している場合に保険治療では神経を抜かないといけないこともあります。歯の神経を抜くと歯が割れやすくなり、歯が割れてしまった場合には抜歯をするしかありません。残せる神経は残すことをおすすめします。歯髄温存療法は保険適用外の自費治療となります。
根管治療(Root Canal Treatment)
虫歯が歯髄(歯の神経)に達し、感染や炎症を起こしている場合、根管治療を行います。この治療では、感染や炎症を起こしている歯髄を取り除き、根管内を清掃して形を整え、根管充填材で密閉します。根管治療後の歯は、歯根破折(歯根が割れてしまうこと)を予防するためにクラウンを装着します。
通院回数・治療期間
3~5回(約2ヶ月)
費用
88,000円(税込)
*自由診療になります
*処置料は来院ごとに1,650円
*被せ物の費用は別途かかります
治療のリスク・副作用等
・治療後に痛みや腫れが出る可能性あり
・予後不良であれば歯根端切除術(歯の根の先をカットする外科治療)が必要な場合があります。
・将来的に歯根破折の可能性あり
抜歯
虫歯がひどく、歯を保存できない場合、抜歯になることもあります。抜歯後は、機能と審美性を維持するために、インプラントやブリッジ、義歯で欠損の補綴を検討します。20代30代で親知らずが残存していれば歯の移植を検討することもあります。 適切な治療法は、十分な検査を行い、患者様の要望をお聞きした上で決定しますのでご遠慮なくなんでもご相談ください。
通院回数・治療期間
1回(消毒や抜糸のため、約1週間後に来院して頂きます)
費用
2,000〜3,000円(通常は保険治療)
*消毒、抜糸の費用は別途(保険治療で約1,000円程度)
*抜歯窩温存術(骨を温存する治療法)を行う場合やコラーゲン材料を使用する場合は別途費用がかかります
治療のリスク・副作用等
・術後に痛み、腫れが出る可能性あり
・術後にドライソケット(血餅がなくなり抜歯窩の骨が剥き出しになり、治癒が遅れる状態)になる可能性あり
・感染物質、歯根の残存、術後感染により再度掻爬の可能性あり
・骨吸収により顎骨に凹みができる可能性あり