親知らずをインプラント代わりに歯牙移植 症例紹介3 T様20代男性
親知らずをインプラント代わりに自家歯牙移植したT様(20代男性)の症例紹介3です。
親知らずの歯牙移植症例紹介3 T様20代男性
主訴:右下奥歯の違和感。
診断:右下7番の歯肉縁下虫歯と歯根破折。
破折線の確認、残存歯質が少ないため抜歯と診断した。患者様の年齢を考慮して、上顎の親知らずが残存していたため歯の移植を計画した。
親知らずの歯牙移植の流れ
歯牙移植STEP1 抜歯の診断
破折線が確認でき、虫歯を除去していくと残存歯質が少ないために抜歯と診断。
歯牙移植STEP2 抜歯
歯肉縁下まで歯質がない。
歯牙移植STEP3 抜歯後
抜歯窩を掻爬して肉芽組織を除去する。
歯牙移植STEP4 移植歯
できる限り歯根膜を温存して上顎の親知らずを抜歯。
歯牙移植STEP5 歯の移植手術直後
移植歯を縫合糸で固定して生着するのを待ちます。術後は右側で噛まないように指示します。今回は、上顎の親知らずを移植しました。
歯牙移植STEP6 根管治療
移植手術後、約2週間で根管治療を開始します。ラバーダム防湿を行い、唾液の混入を防ぎます。
歯牙移植STEP7 術後3ヶ月
移植した歯の動揺がなくなりました。患者様が食事中の不快感を訴えなかったため、今回は補綴治療なしで経過を追っていくことにしました。
歯牙移植STEP8 施術前・施術後2年・施術後9年の比較
安定した術後が確認できますが、施術後9年では歯が摩耗していることから大きな力がかかっていることが推測されます。就寝時はマウスピースを装着して頂いています。
歯牙移植STEP9 施術前・施術直後・施術後2年・施術後9年のレントゲンでの比較
施術直後の透過像は、術後2年では不透過性が亢進し、術後の安定が確認できます。術後9年では歯根周囲に透過像が認められ、過大な咬合力がかかっていることが推測されます。
歯牙移植STEP10 術前・術後2年・術後9年の全体像での比較
施術後のメインテナンスでは、咬み合わせの確認をして、必要があれば咬み合わせを調整しています。就寝時はマウスピースを装着して頂いています。
歯牙移植の治療期間・費用
歯牙移植の治療期間・費用
精密検査・カウンセリング 10,000円
CT撮影 10,000円
移植手術 100,000円(歯周治療、抜糸・消毒は別途)
治療のリスク・副作用
将来的にアンキローシス(骨性癒着)・外部吸収・歯根破折が起きる可能性があります。
親知らずの形態によって手術中断の可能性があります。
術後に移植した歯に咬合力がかかると生着しない場合があります。
一部付着が得られない場合は部分的に歯周ポケットが深くなる可能性があります。
タバコは歯肉の血流を阻害し、失敗のリスクが上がるため喫煙されている方にはお勧めしていません。