銀歯は虫歯になりやすい?銀歯をセラミックにした症例

二次カリエス(二次虫歯)“という言葉を聞いたことはありますか?
二次カリエスとは以前に虫歯治療で詰め物や被せ物をした場所で、再度虫歯になってしまうことを言います。
特に保険治療で行う銀歯は、歯と被せ物の間に隙間ができやすく、二次カリエス(二次虫歯)になりやすい素材です。

なぜ保険治療で行う銀歯は二次カリエス(二次虫歯)になりやすいのでしょうか。

銀歯が二次カリエス(虫歯)になりやすい理由

銀歯は二次カリエスになりやすく、セラミックは二次カリエスになりづらい

保険で決められた材料を使用するため、型取りの精度が悪い場合がある

保険治療では、使用できる材料に制限があります。保険で使用できる材料では、型取りの精度も良くないこともあり、歯にしっかりとフィットする適合のいい被せ物を作成するのは難しい場合があります。

接着の精度が低い場合がある

銀歯は、歯と完全に一体化するわけではなく、合着剤(セメント)で固定されます。この接着は経年劣化しやすく、すき間が生じると、そこから細菌が侵入して二次カリエスの原因になります。

金属は歯と一体化しない

金属は歯質と化学的に接着せず、合着剤による機械的な固定に頼ります。そのため、ミクロン単位のすき間がどうしても生じてしまい、そこにプラークや細菌がたまりやすくなります。

金属の腐食や溶出

長年の使用で金属が劣化・腐食することがあります。腐食により歯と銀歯の間にすき間ができやすくなり、二次カリエスの原因になります。

歯との膨張・収縮の差

金属は温度変化で膨張・収縮しやすい特性があります。口の中は温度変化が激しいため、歯との隙間が拡大・縮小を繰り返すことで、接着剤が劣化しやすくなります。

銀歯の下が見えないため、異常に気付きにくい

銀歯は中が見えない不透明な材料なので、虫歯が進行しても早期に発見しにくいです。気づいたときには、かなり進行していることもあります。


このように、保険治療で被せる銀歯は二次カリエスになりやすいのです。
今回は、銀歯の下で二次カリエスになっていた、40代男性M様の症例をご紹介します。

銀歯の下で二次カリエス(二次虫歯)になっていた40代男性M様の症例

1日目

術前

二次カリエスの治療前:銀歯が入っている歯の様子

右上5番に元々銀歯が入っていましたが、ご自宅でフロスをしている際に外れてしまいました。

ラバーダム防湿を行い虫歯治療

二次カリエスの治療手順1:ラバーダム防湿を行い治療する

被せ物の下で虫歯になる、所謂二次カリエスの状態でした。
ラバーダム防湿を行い、呼気や唾液などから防湿して治療を進めていきます。
銀歯の下で虫歯になっているので、虫歯治療から行います。

虫歯除去

二次カリエスの治療手順2:虫歯の除去が完了した歯

虫歯を取り終わりました。
黒いところが全て虫歯ということではありません。
虫歯になっている箇所だけ丁寧に削ります。

CR裏層、形成

二次カリエスの治療手順3:コンポジットレジンと詰めて形を整えた歯

虫歯治療で削った深いところはCR(コンポジットレジン)を詰めます。

ガタガタに削ってしまうと、このあと作成してもらう被せ物もガタガタしたものが出来上がってしまうため丁寧に形成(形を整えること)していきます。

シリコン印象

二次カリエスの治療手順4:シリコン印象剤を使用して型取りを行う

シリコン印象剤を使用して被せ物の型取りを行います。保険治療で使用する印象剤よりも正確な型取りができるため、適合のいい被せ物が出来上がります。
噛み合わせを診るために対合歯の型取り、噛み合わせと採ります。
このあと仮蓋をして1日目は終わりです。

2日目

被せ物装着前処理

二次カリエスの治療手順5:エッチングによる酸処理を行っている歯

仮蓋を外し、クリーニングします。
プラークなどの汚れが付着した状態ではうまく接着しないため、徹底的に汚れを落とす必要があります。
写真の紫色の材料はエッチングと呼ばれる材料です。
エッチングは酸性の液で、歯の表面がザラザラになります。

エッチング後

二次カリエスの治療手順6:エッチング後の歯

エッチングを塗布した場所が白くすりガラス状になっているのが分かります。
エッチングを使用することで、この後使用するレジンセメントの接着力が上がります。

セラミックIn(E-max In)接着、オキシガード塗布

二次カリエスの治療手順7:セラミックインレーをレジンセメントで接着し、酸素遮断剤を使用している歯

酸素があるところでは、レジンセメントの未重合層が残るため、オキシガードという酸素遮断剤を使用して重合を促進させます。
これによりレジンセメントがしっかりと硬化します。

術後

二次カリエスの治療術後:綺麗にセラミックインレーが入ったあとの歯

ラバーダム防湿下でE-max Inを接着し、研磨して治療完了です。
どこに入っているか分からないくらい適合のいい被せ物を入れることができました。

術前術後

治療前の銀歯が入った歯
術前
治療後のセラミックインレーが入った歯
術後
治療内容補綴治療(セラミックIn)
費用E-max In(セラミックインレー) ¥132,000(税込) ※自由診療になります
治療期間治療期間:約2週間
来院回数:2回(虫歯の大きさによって異なります)
リスク
副作用等
・一時的に歯がしみる可能性
・セラミックの脱離や割れる可能性
があります。

セラミックのメリット・デメリット

セラミックのメリットデメリットの説明

セラミックのメリット

見た目が自然で美しい

  • セラミックは天然の歯のような色や透明感があります。
  • 特に前歯や笑った時に見える部分では、審美性を向上させます。

金属アレルギーのリスクがない

  • 保険治療で入れる銀歯は金属アレルギーを引き起こすことがありますが、セラミックは金属を含まないため金属アレルギーの心配がありません。

歯茎の黒ずみが起きにくい

  • 銀歯は金属イオンが歯茎に沈着することで黒ずんで見えることがありますが、セラミックは金属を含まないためその心配がありません。

虫歯の再発リスクが低い

  • セラミックは歯と化学的に接着するため、歯との密着性が高く、劣化しにくいため、歯と被せ物の隙間から虫歯になる二次カリエスのリスクが低い被せ物です。
  • セラミックは表面がツルツルでプラーク(歯垢)が付きづらい素材のため、虫歯発生のリスクが銀歯より低くなります。

強度・耐久性がある

  • 以前のセラミックは割れやすく、耐久性が低い被せ物でしたが、最近のセラミックは材質がよくなっており、奥歯でも使えるようになっています。噛み合わせの強い方にはジルコニアと呼ばれる素材のセラミックを使用することもあります。

セラミックのデメリット

費用が高い

  • 保険治療適用外の自由診療となり、費用が高額になります。
  • 当院では1本
    E-max In/On   ¥132,000
    E-max Cr(臼歯部) ¥143,000
    E-max Cr(前歯部) ¥165,000
    ジルコニアCr   ¥165,000
    となります。※全て自由診療です

割れるリスクがある

  • 最近のセラミックは割れづらくなっていますが、絶対に割れないというわけではありません。
  • 定期的な噛み合わせのチェックやマウスピースの着用が推奨される場合があります。

歯を削る量がやや多め

  • セラミックが割れないようにある程度厚みを持たせる必要があります。そのため金属の被せ物より若干多く歯を削る必要があります。

まとめ

このようにセラミックは銀歯と比べて二次カリエス(二次虫歯)になりにくい被せ物と言えます。
自由診療のため費用は高額になりますが、審美的にも歯の健康にもメリットの多い被せ物です。
保険治療の銀歯と迷われた際は、メリットデメリットを参考にしていただければ幸いです。

当院は完全予約制です。
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マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用した診療イメージ

マイクロスコープで20倍の拡大視野を使用した診療イメージ

マイクロスコープの20倍の拡大視野で観察すると、虫歯や歯石などを細かく観察できます。
※診療内容や治療部位によってはマイクロスコープを使用しない治療もあります。

歯科医師紹介

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金城 文乃

Kinjyo Akino

マイクロスコープ歴 14年

精密根管治療歴 14年

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小山田 晃樹

Oyamada Koki

マイクロスコープ歴 8年

精密虫歯治療 8年

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行田 長隆

Kohda Nagataka

マイクロスコープ歴 17年

精密歯周外科歴 13年

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