感染が歯髄まで達していて神経を残せなかった症例
視診では大きく欠損していませんでしたが、マイクロクラックを伝って隣接面から抜髄に至るような大きな虫歯が認められました。
患者様は来院時は自発痛はなく打診にも反応はなく電気診には対照とした健全歯でしたが、一度何もしなくても痛んだことがあったとのことでした。
軟化象牙質をマイクロエキスカで除去していくと容易に露髄し、出血が認められました。
このような症例では、冠部歯髄を除去して炎症がどこまで波及しているかをマイクロスコープで確認します。
今回は、根管口付近で生活歯髄切断法を行い、切断面にMTAセメントを置き、根管内の歯髄を温存しました。
すべての神経を残せない場合は、とくにラバーダム防湿を行い、唾液が触れて感染しないように無菌的な環境で処置することが大切です。