第一大臼歯の虫歯で神経を残す方法|エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)を使用した歯髄温存療法(VPT)の症例

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虫歯が大きくなり「神経を取る必要があるかもしれません」と言われるのは嫌ですよね?

特に第一大臼歯は噛む力が強く、神経を取ってしまうと将来的に歯が割れたり、寿命が短くなったりするリスクがあります。
そこで、できる限り歯の神経を残す「歯髄温存療法(VPT)」と呼ばれる治療があるのはご存知でしょうか?
この治療は、虫歯が神経近くまで進行していても、歯の神経を温存したり、虫歯の進行状態によっては傷んでいる歯の神経の一部を除去して健康な歯の神経を温存する治療です。
第一大臼歯のような重要な歯を長く使い続けるために、歯の神経を守るという選択肢についてご紹介します。

歯髄温存療法(VPT)とは?

歯髄温存療法(VPT)は、虫歯が歯の神経(歯髄)に近い場合でも、できるだけ歯の神経を残すことを目的とした治療法です。
通常は虫歯が深いと歯の神経をすべて取る「抜髄」になりますが、VPTでは傷んでいる歯の神経だけを除去して健康な歯の神経は残し、生きた状態で保存します。
これにより、歯の寿命を延ばし、将来的な歯の破折リスクも減らすことが期待されます。

↓歯髄温存療法(VPT)についてはコチラをご覧ください↓

右下6番(第一大臼歯)の遠心のカリエス(虫歯)治療の症例

実際のVPT治療を見てみましょう!

1日目

術前レントゲン

術前のレントゲン画像

術前のレントゲンです。
右下6番遠心が大きな虫歯になっています。

術前のレントゲン画像。虫歯になっている場所を丸で囲っている。

丸で囲まれた黒く透けた部分が虫歯です。(白い部分は仮蓋が詰まっています)
赤く囲まれた黒く透けている部分は歯の神経です。
レントゲン上でも虫歯が歯の神経近くまで接しているが分かります。

術前診査診断

術前の検査手順1:歯を叩く検査を行っている様子

術前の診査診断を行います。
歯を叩く”打診”で響く症状がある場合は、歯の神経の炎症が強いため、歯髄温存療法が適応でない場合があります。

術前の検査手順2:冷たいスポンジを当てる検査をしている様子

冷たいスポンジを当てて強い痛みが出たり、スポンジを外したあとも痛みが続く場合も歯の神経の炎症が強いため、歯髄温存療法が適応でない場合があります。

上記のように、歯の神経を保護する歯髄温存療法(VPT)を行う前には術前の診査診断が重要です。
何もしなくてもズキズキ痛い…(自発痛がある状態)や、冷たい物や熱い物を飲食した際に痛みが持続する等の症状がある場合は、歯の神経に炎症が起きていて歯の神経を残せない可能性があります。
今回は、術前検査で歯の神経を残せる可能性が高いと診断し、歯髄温存療法(VPT)を行いました。

ラバーダム防湿

歯髄温存療法(VPT)の治療手順1:ラバーダムをかけた様子

ラバーダムというゴムのシートをかけて、唾液が入らない状況で治療を行います。

ジンパック(絹糸)を挿入

歯髄温存療法(VPT)の治療手順2:ジンパック(絹糸)を歯と歯茎の間に挿入している様子

仮蓋を除去し、歯と歯茎の間にジンパック(絹糸)を挿入します。

歯髄温存療法(VPT)の治療手順3:ジンパックにより歯茎が下がり、歯茎に埋もれていた歯を露出させた様子

ジンパックを挿入することで歯茎を一時的に下げ、歯茎で埋もれていた歯を露出させることができます。

う蝕検知液で虫歯を染め出す

歯髄温存療法(VPT)の治療手順4:う蝕検知液で虫歯が緑に染め出された様子

う蝕検知液と呼ばれる、虫歯を染め出す染色液を使用します。緑色に染まっている所が虫歯で脱灰している部分です。

エキスカベータによる虫歯除去

歯髄温存療法(VPT)の治療手順5:エキスカベータで虫歯を除去している様子

エキスカベータと呼ばれる器具を使用し、虫歯を除去していきます。

Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーを使用して虫歯除去

歯髄温存療法(VPT)の治療手順6:Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーを使用している様子

Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーを使用して虫歯を除去していきます。(赤く光っている部分がレーザーです)
Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーは、水分を含む虫歯に反応するため、健康な歯質を残して治療することが可能です。
また、蒸散しながら虫歯を除去するため、蒸散面には殺菌効果が得られると言われています。

MTA系材料で間接覆髄

歯髄温存療法(VPT)の治療手順7:神経に近い場所にMTA系レジンセメントを置いている様子

歯の神経に近い部分にMTA系デュアルキュア型裏層剤を置いていきます。
カルシウムイオン&フッ化物イオン徐放性 があり、硬組織形成誘導能※2を有します。

※2象牙質の再石灰化を促す作用

プライマー、ボンディング塗布

歯髄温存療法(VPT)の治療手順8:プライマーを塗布している様子
歯髄温存療法(VPT)の治療手順9:ボンディングを塗布している様子

プライマー、ボンディングを塗布し、このあと使用するCR(コンポジットレジン)との接着を高めます。

CR(コンポジットレジン)修復

歯髄温存療法(VPT)の治療手順10:CR(コンポジットレジン)で削ったところを埋めている様子

虫歯で削った部分をCR(コンポジットレジン)で埋めて1日目は終了です。

2日目

1か月後の症状チェック

一ヶ月後に行った検査:歯を叩く検査をしている様子

治療1か月後の検査です。
叩いても痛みはありません。

一カ月後の検査:風をかける検査をしている様子

風をかけてもしみません。

術後のレントゲン画像

術後のレントゲンです。

上記検査で症状がないため、補綴(被せ物)治療を行っていきます。

歯の形を整え、シリコン印象を行う

歯髄温存療法(VPT)の治療手順11:歯の型取りを行っている様子。削ったところにシリコン印象剤を流している

被せ物を入れるために歯の形を整え、型取りを行います。
今回はE-max In(セラミックインレー)の型取りのため、シリコン印象剤を使用しました。

歯髄温存療法(VPT)の治療手順12:固まったシリコン印象剤の写真

シリコン印象を使用すると、詳細な型取りが可能です。
この日は仮蓋をして終了となります。

3日目

仮蓋除去

歯髄温存療法(VPT)の治療手順13:仮蓋を除去した右下6番の写真。

仮蓋を除去します。

ラバーダム防湿

歯髄温存療法(VPT)の治療手順14:ラバーダム防湿を行っている様子

セラミックは乾燥した環境で接着していきます。
唾液や呼気の水分が入らないよう、ラバーダム防湿を行います。

ジンパック挿入

歯髄温存療法(VPT)の治療手順15:歯と歯茎の間にジンパック(絹糸)を挿入している様子

歯茎に埋まっている歯のラインを出すために、ジンパックを挿入します。

染め出し

歯髄温存療法(VPT)の治療手順16:染め出しを歯に塗布した様子

歯の表面に汚れが残っていると、うまく接着できないため、染め出しも使用して汚れを徹底的に除去していきます。

パウダークリーニング

歯髄温存療法(VPT)の治療手順17:染め出しで染め出された汚れをパウダークリーニングで落としている様子

歯の表面に粉を吹き付けて汚れを落とします。

試適

歯髄温存療法(VPT)の治療手順18:セラミックインレーを試適し、歯と歯の間のキツさを確認している様子

歯と歯の間のキツさが問題ないかフロスを通して確認します。

エッチング塗布

歯髄温存療法(VPT)の治療手順19:エッチングを塗布している様子

エッチングを塗布し、歯の表面を酸処理します。

歯髄温存療法(VPT)の治療手順20:エッチングにより歯の表面が白くなっている様子

酸処理された部分が白くなっています。
歯の表面がすりガラス状になることでこの後使用するレジンセメントの接着力が上がります。

E-max In(セラミックインレー)装着

歯髄温存療法(VPT)の治療手順21:レジンセメントを付けたセラミックインレーを歯に装着する様子

レジンセメントでE-max In(セラミックインレー)を装着します。

仮硬化

歯髄温存療法(VPT)の治療手順22:LEDライトを照射し、レジンセメントを仮硬化させている様子

ライトを照射し、レジンセメントを硬化させます。

余剰セメント除去

歯髄温存療法(VPT)の治療手順23:溢れたセメントを筆で除去している様子

溢れたレジンセメントを筆で除去します。

オキシガード塗布

歯髄温存療法(VPT)の治療手順24:オキシガードを塗布している様子

酸素があるところでは、レジンセメントの未重合層が残るため、オキシガードという酸素遮断剤を使用して重合を促進させます。
これによりレジンセメントがしっかりと硬化します。

硬化

歯髄温存療法(VPT)の治療手順25:LEDライトを照射してレジンセメントを硬化させている様子

ライトを照射し、レジンセメントを硬化させます。

研磨

歯髄温存療法(VPT)の治療手順26:研磨剤を付けて、セラミックインレーが入った箇所を研磨している様子

研磨して終了です。

術前術後

術前の右下6番の写真。歯に仮蓋が詰まっている
術前
術後の右下6番の写真。セラミックインレーを被せた治療後の様子
術後
術前
術後
主訴歯の神経を残したい
費用歯髄温存療法 66,000円(税込) + E-max In 132,000円(税込) ※自由診療になります
治療期間治療期間:2ヶ月(1ヵ月の経過観察を含む)
来院回数:3回
リスク
副作用等
・自発痛、冷温痛が出る可能性
・歯髄の失活や不可逆性の歯髄炎を発症した場合は抜髄の可能性
・一時的に歯がしみる可能性
・セラミックの脱離や割れる可能性
があります。

何もしなくてもズキズキ痛い…。冷たい物や熱いものですごくしみる…。などの症状が出てからの治療は、歯の神経を残すことができない可能性があります。
定期的に精密検査メンテナンス(PMTC)を受けることも重要です。

当院は完全予約制です。
予約や相談をご希望の方は、
お気軽にお問い合わせください。

歯科医師紹介

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金城 文乃

Kinjyo Akino

マイクロスコープ歴 14年

精密根管治療歴 14年

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小山田 晃樹

Oyamada Koki

マイクロスコープ歴 8年

精密虫歯治療 8年

...

行田 長隆

Kohda Nagataka

マイクロスコープ歴 17年

精密歯周外科歴 13年

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用した診療イメージ

マイクロスコープで20倍の拡大視野を使用した診療イメージ

マイクロスコープの20倍の拡大視野で観察すると、虫歯や歯石などを細かく観察できます。
※診療内容や治療部位によってはマイクロスコープを使用しない治療もあります。

診療時間

月~金曜 10:00~14:00
     15:00~18:00(最終受付17:00)
土曜   10:00~13:00
     14:00~17:00
※現在、土曜日の診療予約が大変混み合っているため、土曜日のみで治療をご希望の初診の患者様の予約をお受けすることができません。 丁寧な治療を維持するため、ご理解の程よろしくお願いいたします。

お知らせお知らせ

友和デンタルクリニック7つのお約束

  1. 初回カウンセリングでしっかり話を伺います
  2. 治療内容をしっかり説明し、治療内容をビデオ録画でご覧になれます
  3. マイクロスコープで精密な治療を提供しております
  4. 痛みの少ない治療を目指しています。
  5. 半個室の診療室でプライバシーにも配慮
  6. 担当制、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士のチーム医療
  7. 技工所との連携

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