歯を抜かないといけないと言われた!なぜ?どんな治療法があるの?

虫歯で歯医者に行って、歯を抜かないといけないと言われたら驚きませんか?
なぜ歯を抜かないといけないのでしょうか?
また、歯を抜かないといけないと言われたらどんな治療法があるのでしょうか?
歯を抜かないといけない!と言われてしまう前に、どのような予防策があるかも知りたいですよね!
歯を抜かないといけないと言われた方は、ぜひ一度ご相談ください。
歯を抜かないといけない主な理由

上記は2018年に全国2,345の歯科医院で行われた全国抜歯原因調査結果です。
歯を抜かないといけない主な理由ベスト3は
- 歯周病
- 虫歯(う蝕)
- 歯の破折(割れた歯)
です。
それぞれの抜歯原因について詳しく見ていきましょう!
重度の歯周病

歯周病の抜歯原因
- 歯を支える骨(歯槽骨)の喪失
歯周病が進行すると歯槽骨が溶け、歯がぐらつきます。安定した状態を保つことが難しくなると、歯を抜かないといけない可能性があります。 - 感染の拡大防止
歯周病により歯周ポケットが深くなり、細菌が繁殖しやすくなります。放置すると健康な歯や組織に感染が広がるため、歯を抜かないといけない可能性があります。 - 全身への悪影響の予防
歯周病による慢性的な炎症は心血管疾患や糖尿病と関連があるため、抜歯によってリスクを軽減できる場合があります。 - 痛みや不快感の解消
炎症や感染により痛みが強くなると、抜歯によって症状を和らげることができます。
予防策
歯周病が進行する前であれば、スケーリング・ルートプレーニングや歯周組織再生療法などで歯を残せる可能性があります。
⇒歯石取りとは?
重度の虫歯(う蝕)

虫歯(う蝕)の抜歯原因
- 歯の大部分が破壊され修復が困難な場合
虫歯が進行し、歯冠(歯茎から露出している歯の部分)が崩壊すると、詰め物や被せ物では修復できなくなります。その場合、抜歯が検討されます。 - 歯髄(神経)や歯根に感染が広がった場合
虫歯が神経まで達すると強い痛みを伴い、根管治療が必要になります。しかし、感染がさらに進行し、膿が溜まって顎の骨に炎症が広がると、歯を抜かないといけない可能性があります。 - 歯根が割れた場合(歯根破折)
重度の虫歯で歯の構造が弱くなると、歯根が割れてしまうことがあります。この場合、修復が難しく、抜歯が必要となります。
予防策
定期的な歯科検診と日常的な口腔ケアで早期発見・治療を行えば、抜歯を避けることができます。
⇒定期メンテナンス(PMTC)とは?
歯の破折(割れた歯)


歯の破折の抜歯原因
強い衝撃や事故で歯が割れ、修復が不可能な場合は歯を抜く必要があります。
-
感染リスクが高い
破折部分から細菌が侵入し、歯根の周囲に炎症を引き起こします。これが進行すると歯周組織の破壊や顎の骨(歯槽骨)の吸収につながります。 -
歯の機能を維持できない
破折の位置や程度によりますが、多くの場合、咬む力に耐えられず、痛みが出たり、さらに破折が進行したりします。特に垂直的な破折は、歯を接着しても安定せず、咬合機能を維持することが難しくなります。 - 治療が困難
小さなヒビなら、接着や歯冠修復で対応できる場合もありますが、歯根まで完全に割れている場合は修復が困難です。
根管治療をしても、破折部分から細菌が入り込み、炎症が再発することが多いです。 -
周囲の歯や骨への悪影響
感染が広がると、隣の歯や歯槽骨にダメージを与える可能性があります。放置すると顎の骨が吸収され、将来的にインプラントやブリッジなどの治療が難しくなることもあります。
予防策
神経を抜いた歯は脆くなるため、適切な補強が必要です。また、日常的な咬合管理・口腔ケア・適切な治療を意識することで、歯根破折のリスクを減らせます。特に歯ぎしり・食いしばりの対策や定期的な歯科検診が重要です。
⇒歯の神経を抜かない治療はこちら
その他のケース
- 矯正治療のための抜歯(便宜抜歯)
歯並びを整えるため、健康な歯を抜くことがあります。 - 根管治療が困難な場合
複雑な根の形や重度の感染により、根管治療で保存できない場合は抜歯が選択されます。
抜歯を回避するために可能な治療法

抜歯を回避するためにはどのような治療法があるのでしょうか?
歯を抜かないといけないと言われた原因にもよりますが、以下のような治療方法が可能な場合があります。
- 根管治療(歯の神経治療) → 虫歯により歯の神経が感染している場合は、歯の根の治療を行うことで抜歯を回避できる可能性があります。根管治療専門医への紹介も可能です。
⇒根管治療症例ページはコチラ - 歯周病治療 → 歯周病が原因の場合は、スケーリング(歯石除去)や歯周組織再生療法(骨移植など)で歯を保存できることがあります。
⇒歯周病治療症例ページはコチラ - ヘミセクション(歯の一部を残す処置)→複数ある歯の根の一部が原因となっている場合は、原因となっている歯根をカットして除去する治療法があります。
- 再植・移植 → 一度抜歯した歯の割れている箇所や病巣を取り除き、再度元の位置に戻す再植や、親知らずなど別の歯を移植することも可能な場合があります。
⇒歯の移植治療の症例ページはコチラ
抜歯後の治療選択肢

それでも歯を抜かないといけなくなった場合はどのような治療法があるのでしょうか?
基本的には抜歯後は歯を補う治療が必要になります。
- インプラント治療(人工の歯根を埋め込む治療)
- 自然な噛み心地が得られ、周囲の歯に負担をかけません。
- 費用が高く、手術が必要です。
- ブリッジ(両隣の歯を削って橋渡しする方法)
- 固定式で違和感が少ないですが、健康な歯を削る必要があります。
- 入れ歯(部分入れ歯・総入れ歯)
- 取り外し可能で保険治療の場合は比較的安価ですが、慣れるまで違和感があります
- 移植(親知らずを抜歯窩に移動)
- 比較的年齢が若く、親知らずのサイズが合えば、自分の歯と同じように噛めるようになります。
まとめ

- 抜歯の主な原因を知り、予防することが大切です。
- できるだけ歯を残す治療法を検討し、自分の歯を長持ちさせることが重要です。
- 抜歯後の治療選択肢を比較して、ご自身に合った方法を選びましょう。
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歯科医師紹介

金城 文乃
Kinjyo Akino
マイクロスコープ歴 14年
精密根管治療歴 14年

小山田 晃樹
Oyamada Koki
マイクロスコープ歴 8年
精密虫歯治療 8年

行田 長隆
Kohda Nagataka
マイクロスコープ歴 17年
精密歯周外科歴 13年
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用した診療イメージ

マイクロスコープの20倍の拡大視野で観察すると、虫歯や歯石などを細かく観察できます。
※診療内容や治療部位によってはマイクロスコープを使用しない治療もあります。
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診療時間
月~金曜 10:00~14:00
15:00~18:00(最終受付17:00)
土曜 10:00~13:00
14:00~17:00
※現在、土曜日の診療予約が大変混み合っているため、初診で土曜日のみで治療をご希望の初診の患者様の予約をお受けすることができません。 丁寧な治療を維持するため、ご理解の程よろしくお願いいたします。
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